色々文章の勉強もかねて書く所

文章を上手く書けるようになりたいので、文章の練習に使っているブログです。2015年頃の初期の記事は適当な物も多いです!ごめんなさい!文章の練習にここを使わせてください!

須田51が好きな話。

僕は須田51が大好きである。

 

とはいえ、彼のゲームデザインはいくらなんでも「取って付けた感」が凄すぎるし、ゲームデザイナーとしての彼はとても評価できるものではない。

 

彼のゲームデザインは「思いつき」ありきだし、ゲームプレイとしては形だけという印象が強い。

 

キラー7の副読本である「hand in killer7」において、「須田さんはノベルゲーが良いんじゃない?」と遠回しに桜井政博に「お前アクションゲームのゲームデザイン向いてないよ」と言われちゃうくらいには、須田51のゲームデザインはあまり褒められたものではない。

 

hand in killer7で「ダメージを受けたら画面が割れる演出をやりたいけど三上に言ったらダメだと言われた」と言われたと書いてあったのにシャドウオブザダムドでダメージを受けた時画面が割れてたのは笑ってしまった。思いつきありきのゲームデザイナーである事を象徴するエピソードだと思う。

 

それでも僕は須田51が好きだ。

 

須田51は「いかに映画っぽいカッコいい画面をゲーム上で引き出すか」に拘る部分がある。

 

killer7では、やたらカメラが下に置かれている。これは普通のゲームデザインならありえないカメラワークである。

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killer7における「カメラがやたら下」というのは、もちろん意図的なものであり。須田51が「いかに映画っぽいショットをゲーム内で構築するか」という部分を成立させるためであり、○ボタンだけで前に進むという移動システムを作り移動シーンを映画っぽくする事に成功している。

 

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リロードモーションやカウンターアタックの時に画面のフレーム比率が変わり、シネマスコープっぽくなる所ももちろん須田51の「いかに映画っぽいショットをゲーム内に成立させるか」を須田51が考えた結果、こういった演出がなされたという事だし、実際の所キラー7は「映画っぽさ」のショットの構築には成功していると思っている。

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花と太陽と雨とでは「延々とスティックを倒し続けながら高田雅史のクラシックを聴く」というあまりにもゲームデザインとして見ればあまりにも厳しすぎる作品だった。

 

僕は世界観は好みだけれども、今プレイしろと言われたら到底できるゲームデザインにはなっていない。シナリオはともかく、ゲームデザインとしては正直キツイ。

 

それでもやっぱり須田51の演出周りは凄いと思う。

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須田51の演出周りの凄さというのは「画面構成のカッコよさ」に尽きる。正直、須田51はカッコいいのだ。画面の演出一発だけでカッコいいと思えてしまう。

 

この「スクリーンを見ただけでカッコいいと思っちゃう」というのが実にカルト映画的であるし、実際の所須田51の考えるゴールというのは「カルト映画と同じ感覚をゲームに引き出したい!」という所なので、須田51のビデオゲームはなんだかんだでそういう意味では成功していると言えると思うのである。

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ダンガンロンパの斜めっぽい画面構成も、恐らく須田ゲーの画面構成からインスピレーションを感じたモノだと思う。

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唐突にドット絵とチップチューンになる演出は、もちろんダンガンロンパシリーズが模倣している。

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ちなみに、ダンガンロンパシリーズは唐突なミニゲームが始まる部分も須田ゲーの影響を受けている。

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悪名高いスケボーも、須田ゲーの「唐突にミニゲームが始まるあの感じ」に影響を受けたモノだ。でも正直これは須田ゲーの「悪癖」の類だと思っているし「そこはマネしなくてもいいのに・・・」と素直に思ってしまう。でもカッコいいからね。しょうがないね。

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実際の所シルバー事件の「クイズ百連発」は「えっ?」ってなるし、その感覚が当時凄い衝撃だった。須田ゲーにおけるミニゲームは悪癖だと思うけれど、クイズ百連発に関しては成功していると思っている。

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キラー7のメインテーマは「テロリズム」。しかもここでいうテロリズムというのは「イデオロギーの関与しないテロリズム」の事である。

 

2001年9月11日、貿易センタービルが爆破されたワケだけれども、あの時は「テロリズムというのはイデオロギーが備わっているものだ」というのが一般常識だった。

 

でも昨今においてテロリズムとは、完全に人間の本質であり普遍的なものであることが、相模原障害者施設殺傷事件や、新幹線での刺殺事件。秋葉原通り魔事件などで証明されてしまった。

 

2005年にテロリズムの本質を突いた須田51の先見の明には圧倒されるし、MGS2において今日におけるインターネットにおける正義の飽和を指摘した小島秀夫と仲が良いのも、当然と思ってしまうのである。この二人は未来預言者系ゲームデザイナーの双頭とも言える。

 

ゲームデザインにおいて「ユーザーとのコールアンドレスポンス」をきっちり大事にしつつ映画っぽさを目指す小島秀夫と、ゲームデザインはあんまり考えずに映画っぽいショット作りにのみ意識を集中する須田51はまさしく映画らしいゲームを目指すゲームクリエイターのコインの表裏を担っていると言っても良いだろう。

 

そんなワケで、僕は須田51が大好きだ。

その理由はやっぱり演出周り、ゲームの画面デザインのカッコよさに尽きる。

このカッコよさはやっぱり見て体感するに限ると思うので、ぜひプレイして体感して頂きたい。

 

というワケで須田51が好きって話でした。

 

終わり。