対人ゲームをプレイしていると、そのゲームデザインに「歪み」がある事に気づく瞬間がある。
明らかに「押し付けているだけで勝ってしまう」とか、「駆け引きをせずにキルが取れてしまう」戦法を発見してしまうと思う。
僕はそういった戦法を間違いなく使うし、それはなぜかというとビデオゲームにおける目標が「そのゲームで勝つという結果を出すこと」だからだ。
ただ、その考えに否定的意見を持っているユーザーが一部存在している。
僕は一時期、ディスコードで毎日会っていた人物が居る。今はもう会ってはいないが。
その人はいつも「一方的に押し付ける戦術」を対人ゲームで嫌っていた。
例えばレインボーシックスシージでは、絶対にリスキルはしない主義だったし、発売当時のオーバーウォッチではマクリーの右クリックが最強技だった(右クリのマグナムが1発90ダメだった)のだが「マクリーは卑怯なので使わない」と、強キャラであることを自覚しつつ使わない主義を通していた。
でも正直僕はそういった「戦法があるにもかからわず使わない」というスタンスに凄い疑問を感じていたし、戦法押しつけ系の強キャラを絶対に使わずに戦い「自分に対して縛りをかける」彼のプレイスタイルが、正直不快だった。実際の所彼はあまりFPSは上手では無かったし、その弱さの原因は明らかに「強キャラを使わない」所にあったのだ。
彼の気持ちはわかる。実際そういった「自分の行動押しつけ系」の強キャラや戦術はとにかく負けた側のストレスが大きい。
全盛期の5/5が並ぶハースストーンのクエストローグも非常に評判が悪かったし「AIに向かってやってろよ」的意見がとにかく飛び回った戦法だ。
こういった「戦法押しつけ系」の強武器、強キャラの何が問題かと言うと「勝っている側は割と面白い」所だと思う。
対人ゲームというのは、どれだけ出来が良くても、負ければつまらないし、勝てばだいたい面白い。というのが真理だと思う。
勝っている側は面白いけど、負けた側はゲームデザインの歪みやそのキャラクター、強戦法の歪みに向き合わざるを得ないし、負けた側が全部のストレスを背負わなければならない。これが「戦法押しつけ系」の戦術を対人ゲームでやってしまう最大の負の部分だと思う。
でも、それでも俺たちはその戦術を「使わざるを得ない」んじゃないかなと思う。
結局の所、我々ユーザーはそのゲームの中にある最適解を模索して、その最適解を行使する事がビデオゲームユーザーとしての責務だと思うし、ゲームデザイナーが「そういう遊び方はして欲しくない」と思っていたとしても、やっぱり「使えるなら使う」べきだと思うのである。
「それならチート使えば良いじゃん」とか「じゃあ不具合も利用して良いんですね」という的外れな理屈(チート使えば良いじゃんは実はディスコードで会ってた人が実際に言っていた。開発者の意図に合ったゲームプレイをしていないという意味では不具合の利用も強キャラも同じという考え方もできるが、不具合と強キャラでは全く話が違う)はともかく、僕は「強キャラは使うべき」主義である。という話でした。
参考文献