#シンエヴァ1周年質問集#庵野さんからお返事
— エヴァンゲリオン公式 (@evangelion_co) 2022年3月8日
Q:新劇場版と前の劇場版、それぞれ描き終えて感じることの違いは?
A:違いはありません。両作品共に終わった後、大量の悪意に晒された現象は同じでした。あえて違いを言えば、新しい方は作品に関係のない家族が巻き込まれた事です。
この発言を見て、中々感慨深い思いがあったので、書きたいと思います。
最近、誹謗中傷が話題になっています。
しかしこう思う方も居るはずです。「そんなの人類史にはあったじゃん」と。
でも、正直今の誹謗中傷と昔の誹謗中傷ではちょっと違いがあると思っていて、その違いっていうのは「見境のあるなし」だと思ってるんですよ。
ここで、大好きな映画監督ミヒャエル・ハネケの本にあった言葉を紹介したいです。
私達の頃は、学校でケンカになっても顔を殴るのはご法度でした。今日、顔にキックが入ることも珍しいことではありません。
ミヒャエル・ハネケはメディアが民衆から現実の欠如を引き起こし、アンリアルな感覚を想起する責任を持っている。そしてリアリティの欠如が見境の無さを産んでいると語っています。
最近、炎上事件が多いです。
それはいつもの事ですし、人間はミスをするというプログラムが根幹にある生き物なので当たり前なのですが、その炎上に対する迷惑のかけかたが、見境がなくなりつつある。と個人的には感じています。
2000年以前のインターネット初期にも誹謗中傷はありましたが、そこにはまだまだ見境はあったような気がします。
今日、家に押しかけたり炎上した本人の家族に嫌がらせをするのも珍しいことでは無くなりました。
ひとえに、皆から見境がなくなりつつある。という事だと感じています。
昔と今の暴力には見境の無さの違いがある。と僕は思う。
だからといってどうする事も出来ないけれど
リアリティの欠如から来る見境の無さ。ただそれが怖いなと思う。という話でした。