どうも。
東京リベンジャーズ。見事にスベリましたよね。
僕も最終回を読みながら「ああ、畳みきれなかったか・・・」っていう気持ちの中で読んでいて。
ただ、僕は東京リベンジャーズという作品がなぜ失敗したのかっていうのが、物凄い明確な、はっきりとした理由で理解できました。
その理由を。プロットとジャンルという観点から説明いたします。
・東リベは最初はスリラーだった。
まず、東京リベンジャーズは最初は作品としてはスリラーだったという事です。
スリラーの構造とは
・主人公が陰謀に巻き込まれる
・主人公はその陰謀に振り回される
・振り回される中で「自分でどうにかするしかない」と勇気を出し行動をする
・それによって目的が解決へと向かっていく
という流れを辿る構造の作品がスリラーです。
そういう意味では、東京リベンジャーズという作品は電車のホームに落とされた段階では「向かってくる問題に対処すれば良い」という状況で、そのリレーによって連載を継続できた作品でした。
しかし、最終章になって、その「スリラー」によって推進力を得たジャンルのバランスが崩壊していきます。
最終章に突入した東京リベンジャーズは「ただ目的を解決へと向かっていけばいい」という状態から「作品世界の謎を回収しなければならない」というミステリーへのジャンル転換が発生します。
このミステリーとスリラーは、似ているようで全く違うジャンルで、スリラーが得意な作家はミステリーが苦手である傾向がかなり多いです。
なぜなら、スリラーの場合は「目的が解決へと向かうかどうか」という読者の意識だったのが、ミステリーでは「謎の正体は何だ?」という意識へと変わっていくからです。
辻褄は合わせなければなりませんし、辻褄を合わせるとなると過去の時間軸との整合性も重要になってきます。
しかし、東京リベンジャーズでバラまいた謎は、もはや名探偵コナンレベルの難解なミステリーに変貌していました。
恐らく和久井先生自身も「もうギブアップだろう」という空気になっていたであろう感覚は、読みながらグイグイ伝わってきました。
だから、なし崩しのエンディングを見た時に「だろうなぁ・・・」と思わずにはいられなかった。
僕が言いたいのは、長期連休の漫画って、最後にはミステリーに変化せざるを得ないっていう事なんです。
フックとして謎を作った以上、最後にはアドベンチャーだったり、スリラーだったりしても、最後にはミステリーに回帰せざるを得ない。
僕は漫画っていう物体をナマモノだと思ってるし、なんならリレーをやるジャンルなワケだから、漫画で一番難しいのってミステリーじゃね?とも思っていて。
長期連休ならではの難しさっていう部分を、東リベで理解できたっていうのが個人的な読後感です。
長期連休って難しいなぁ。そう思わせてくれる漫画体験でした。
マガポケで毎週80円払ってた分の感動はできたので、サンキュー和久井先生。っていう感じで終わります。