人間は自己を抑制する。なぜか?
イデオロギーや法律を順守しキャリアや体面を清潔にするために自分を押し殺す、社会の中で文明人として生きるためだ。
だが人生には限りがある。人生時間はいつかゼロになって自分は灰になる運命だ。
その抑圧の中の生に価値はあるのか?財産を築き上げ己を文明人ぶってIKEAの家具に囲まれながら人生時間のゼロが来るのをの待つだけ?ふざけてる。
「俺がお前にイドの解放をしてやる。本当の人生とやらを味わおうじゃないか」
アルター・エゴがそう言って飛行機の隣の席に座った。タイラー・ダーデンだ。
最初は彼に憧れていた。だが逆に彼をクレイジーだと思う心が私にはあった。しかし憧れの思いから私は彼に従う事にした。しかし気づいた時には遅すぎた。開放されたイドの人格が文明社会を破壊しようとしていた。主人公はそれを止めようとする。
全ての人間が送っている自己抑制の中の人生。誰もが持っている抑圧の感情をほとんどの人間は心に抱えたまま死を迎える。
主人公であるジャックは抑圧の生に反抗し挑戦するという選択を選んだ。だが主人公の超自我は黙ってはいなかった。主人公はイドの解放を止めようとする。
「お前は俺で俺はお前だ。同じなんだよ」
イドのダーデンとスーパーエゴの主人公のエゴ(自我)の所有権を賭けた闘いが始まるのだった・・・
つーわけでファイト・クラブ超面白かったです!
実は高校生の時に一度見ていて、その時は?って感じでした。ただの二重人格モノの映画なんだとばっかり思ってました。
もう一度見てみようと思って見たら凄い映画だという事を思い知らされた!二重人格モノというサスペンスでありながら、IKEAに浸る文明人に中指を立てる爽快感抜群の一本!全ての自己抑圧をかけた生を送る人間にとって普遍的な映画です!
追記:3回目の鑑賞をしてみたら、消費社会へのアンチテーゼと精神的大恐慌におかれた我々のやるべき事とは?というテーマにも気づきました!本当に深い映画ですね
撮り方や劇伴、ショットの美しさ。編集の切れ味も最高でした。
しかしデヴィッド・フィンチャーの実力に心底震えが止まりませんね・・・ソーシャル・ネットワーク、ゴーン・ガール、セブン含め彼の映画監督としての実力は間違いなく現状の映画界の超トップクラスの存在と言ってよろしいでしょう!
いや・・・マジで凄かった。多分人生ベスト10映画に入ると思う。
とにかくヤバイ。これは人生変わっちゃった人も少なからずいるはず
映画見終わった後の興奮で書いてるんで、変な文章だったらごめんなさいm(_ _;)m
それではまた。良い映画ライフを(^ω^)
※用語説明
・アルター・エゴ=別人格
・イド=快楽に基づく本能
・スーパーエゴ=超自我。イドを抑える働きを持つ抑制心
・エゴ=イドとスーパーエゴの調和に基づく人格